令和温泉探訪記③ 赤湯温泉
新幹線で行ける温泉
仕事の関係でいつも通るが何年間も入ったことがないのが南陽市にある赤湯温泉である。赤湯温泉は山形県南部、置賜地方(米沢市を中心とした地域)にある米沢市からは北に向かって15キロくらいで、山奥ではなく、南陽市の街の中にある。
山形の温泉というのは、山の中でなくて、街の中にあるというのが結構多い。以前紹介したかみのやま温泉もそうだが、この赤湯温泉や北にある天童温泉とか東根温泉も街の中にある。国道を走っているといきなり温泉街が見えてくるみたいな感じである。山形県の真ん中を走る国道13号線沿いに、南から赤湯温泉、かみのやま温泉、天童温泉、東根温泉と連なっている。それだけに行こうと思えばすぐに行けるのが魅力ではある。
しかも面白いことに、これらの温泉にはそれぞれ新幹線の駅がある。山形新幹線に乗れば、都会からでもどこの温泉にも行くことができる。
最新の共同浴場
そういう赤湯温泉にもですが何カ所か共同浴場がある。そのうち、一番新しい「湯こっと」というところに行ってみることにした。ここは南陽市の街の中だが、ナビで探しても出てこないで、本当に昨年か今年に出来た共同浴場なんだろう。そういうわけで、施設が大変新しい。説明によると、過去にあった共同浴場、あづま湯、とわの湯というのを引き継いで作られたそうなので、共同浴場が増えたわけではないようだ。一種のリストラ策か人手不足対策なのかも知れないが、大変きれいになって、利用客も増えるように思う。
こういう共同浴場に関しては、車が普及していなかった昔からあるのと、多くは比較的街中にあるので、なかなか駐車場を作れないという問題があるが、ここはばっちり目の前に駐車場完備で、車でも安心してくることが出来る。
ワインサーバー付き共同浴場
中に入ると、ここも券売機があり300円だった。だいたい山形の温泉は安い。
ここの最大の特徴は、ワインサーバーがあること。周りにたくさんワイナリーがあるので、こんなサービスがあるのだろう。ノンアルコールのワインもあります。ワインが飲みたい人は、お金をワイナリー用のコインに換えてもらって、ワイナリーに入れ、ワインが出てくるという仕掛けになっている。
さて、券売機から出てきた券を係に渡すと、ここで小さいパックに入れられたシャンプーとボディソープをもらいました。これはたぶん、コロナウィルスと関連があるのだろう。コロナウィルスの流行によってこんな小分けにしたシャンプー、ボディソープをいちいち渡しているのだろうが、もうそろそろこれは元に戻してもいいと思った(コロナ下で始まった共同浴場なので最初からこうだったのかも知れない)。
赤湯の特徴
赤湯温泉の泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉ということで、源泉の温度は60度以上ある。泉質別適応症では皮膚系の病気に効果があるということで、これは助かる。まあお湯はほぼ無色透明、若干白っぽいくらいで、そんなに特徴があるものではない。赤湯というから湯が赤いのかと思ったら、そんなこともない。こういう共同浴場にありがちだが、ご近所の人々、とりわけ高齢者の憩いの場所になっているようにも思えた。施設には交流ラウンジ、休憩ラウンジなんてのがかなり広めに作られていて、これはゆっくりできます。
ちなみに露天風呂ありとのことだが、屋根があって露天風呂という雰囲気ではなかった。
この日は帰りに駐車場に行くと、なにやらもめている人たちがいた。どうやら車の運転を巡って、誰かが運転する車が人と接触しそうになって、怒っているようだった。高齢者が温泉に入った後、車に乗って帰ろうと思ったら、やはり風呂に入ろうとやってきた人にぶつかりそうになっていたというわけだ。高齢者が多いとこういう問題が出てくる。
繁華街が近い温泉
この赤湯温泉というところは、温泉街が街中にあるので、風呂に入った後にちょっと一杯、なんてことが出来るのが魅力である。温泉街に繁華街があり、居酒屋もバーもスナックもある。米沢の人たちに聞くと、米沢と同じくらい飲み屋さんは多いという。
しかし、どういうわけかここにはビジネスホテルがない。通常の温泉旅館しかない。そういうところに泊まると、宿に温泉もあるし、料理も出るので、特に外に出る必要はなくなるから、共同浴場を利用する必要もなくなります。だから共同浴場の利用客はほとんど地元の人ばかり。他の人といったら私のような物好きだけだ。料金が安いのも、地元の人が利用しやすいことにつながっているのだろう。徒歩で来たなら、帰りに地元のワインをいっぱいなんてこともできるのは、おつなものである。
こういう温泉に入って、帰りに居酒屋に寄って、次にスナックとかバーに行くなんてことが出来たら、最高だと思う。なんで南陽市にはビジネスホテルがないのか、これは不思議だ。