第2回・円谷英二特撮映画祭

第2回・円谷英二特撮映画祭

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時:平成14年3月17日(日)

場所:須賀川文化センター

上映作品:「地球防衛軍」

     「ハワイ・ミッドウェイ大海空戦・太平洋の嵐」

     「キングコング対ゴジラ」

 

 3月17日、文化センターにおいて第二回・円谷英二特撮映画祭が行われ、多数の観客が訪れた。

 この催しはサークル・シュワッちが円谷英二作品をもっと地元の人に見てもらおうと企画されたもので、今回が2回目となる。

 残念ながら筆者は最初に放映された「地球防衛軍」を見ることが出来なかったが、「太平洋の嵐」から会場入りした。

 この時点であまり人が入っているとは言えなかった。 第一回目の「日本海大海戦」同様、やはり戦争映画は内容が難しく、一般受けをしないので映画祭で取り上げるのはどうか、という感じもした。ただ、円谷特撮 を語る上で戦争映画は重要なファクターだし、怪獣ばかりにすると子供の映画会みたいになってしまうので、ここが判断に迷うところのようだ。

 この作品が終わった後、60くらいの女性が帰っていき、「昔を思い出した。」と語っていたのが印象的だった。この方はおそらく、この映画だけを見に来たのだと思うが、こういうコア(?)なファンがいることも忘れられない。

 これは特撮云々の問題ではなく、主演の夏木陽介が演 じたような、昔の男らしさを指して「昔を思い出した。」と言ったのではないだろうか?3年前に矢吹町で「ハワイ・マレー沖海戦」を上映したときもそうだっ たが、戦争映画を見に来る方の持つ印象というのは、円谷特撮について語るわけではなく、史実を映画で表現されているところに共感する部分が大きいので、こ れはこれで貴重な上映会なのかも知れない。

 さて、最後はゴジラシリーズ最高のヒット作、「キングコング対ゴジラ」である。ここで会場には子供が大勢やってきて、やはり期待されていた映画だと思った。子供達は、親に連れられて来る人もいたが、ほとんどは友達と連れ合って自転車などで会場に来た子だった。

 映画が始まった。これは完全版がもう東宝に存在しないと聞いていたのだが、それにしても、20

分もカットされた、テレビ版みたいなものだった。最後のキングコングとゴジラの闘いでも、キングコングが失神し、起きあがったところをゴジラにドロップキックの返り討ちを浴びる貴重な場面(コマ撮り)がすっぽりカットされていて興ざめした。

 しかし、ここで面白かったのは、会場の子供達の反応 である。キングコングとゴジラの格闘シーンについては、円谷英二が周囲の反対をよそに、コメディー・タッチで演出したと伝わっているが、この大格闘では会 場が大いにわき、コングの体当たりや、大木を引っこ抜いてゴジラの口に突っ込む場面などで大爆笑が起こった。やはり、大スクリーンは迫力が違う!子供達は 小学校3、4年生が中心と言った感じだったが、40年も昔のこの映画でこれだけ湧かせるのは実に大したものだと思った。

 「キングコング対ゴジラ」以降、円谷英二は怪獣映画を子供向きのものと考え、演出していったが、それには初孫の誕生なども大きな要因として考えられる。子供に向けられた真剣な愛情は、40年過ぎても、故郷・須賀川の子供達に受け入れられたという事である。

 一連の活動の中で、映画祭はかなり地味な活動と言えるけれども、やはり大スクリーンで特撮を堪能出来るという事は意義が違う。これからも継続して欲しいと思う。